2018年中小企業白書より

第二部 目次
第1章:深刻化する人手不足の現状
第2章:生産性向上の鍵となる業務プロセスの見直し
第3章:人材活用面での工夫による労働生産性の向上
第4章:IT 利活用による労働生産性の向上
第5章:設備投資による労働生産性の向上
第6章:M&A を中心とする事業再編・統合を通じた労働生産性の向上

第一章 中小企業において深 刻化する人手不足の現状 
<ポイント><第二部 第一章まとめ 参照>
①各業種にわたり人手不足感が強くなってきて経営課題としての占める割合が増加
②女 性・シニアといった多様な人材の労働力人口が増 加することで、生産年齢人口の減少分を緩和して いる
⇒女 性・シニアといった多様な人材の活用が益々重要になってくる
③その為に企業側には働き易い勤務体系(柔軟化)や求人の年齢幅を広げるなどの対応が必要とされる
④企業が女性・シニア等の潜在的な労働力の掘り起こしや、既存従業員の働き方 も合わせた工夫を行う必要
⇒人手不足解消に向けた努力として、企業の勤務体系にある種の変革と柔軟な対応とが 求められると思われます
第二章  生産性向上の鍵となる業務プロセスの見直し 
<ポイント><第二部 第二章まとめ 参考> 
①人手不足下において労働生産性を向上させるためには、現状の業務を見直し業務を効率化することが重要で、今後もその他の生産性向上と合わせて取り組むことが期待される
②この取り組みに対しては 時間がないと言う課題が一番にあげられたが、経営者がリーダーシップを発揮して推進していくことが求められる
③この取り組みに合わせて 社内の生産性向上推進も同時に図ることが全体として相乗
 効果がでているといえる
⇒より生産性の高い効果を出している企業ですでに実証されている

第三章 人材活用面の工夫による労働生産性向上 調査結果
<ポイント><第二部 第三章まとめ 参考> 

① 従業員の多能工化・兼任化の取り組み
 概ね取り組んでいる企業が多いが、非製造業での取り組み余地が指摘されている
 ⇒従業員の業務負担軽減等の具体的な効果を実感している
 ⇒生産性向上を実感している割合が高い
 前提として、 「業務プロセスの見直し」を行 い、自社の業務における課題等を       確認・社内共有 した上で多能工化・兼任化の取組を進めることが 重要
 ★課題  ・進めるための時間がない ・推進する人材の不足

②外部人材活用
人手不足感が強い企業ほどアウトソーシング を活用している傾向
労働生産性の向上を実感している
・今後も積極的に検討していく
③従業員が生み出す付加価値を向上での生産性向上
・人材育成の取組を重視
・OJT中心である中でもOFF-JT、自己啓発費用支援の取組を積極化
・中核人材不足に関しては、教育訓練・能力開発 の強化
 
★課題
・社内人材不足 ⇒外部から確保するといった取組も併用

人材活用の工夫に取り組むことの重要性を認識、実際に取り組んでいる
企業も多く、その実感もある
該当の人材がいない、取り組む時間がないという課題を抱えつつも今後も
前向きに取り組んでいく必要性を認識している

第四章:IT 利活用による労働生産性の向上
<ポイント><第二部 第四章まとめ 参照>

①規模の小さい中小企業ほどツール別に業務領域別に見ても IT導入は進んでいない
②クラウド・サービスは、「コストが負担できない」という課題 に対してはコスト面で優位性が高い。
③業務領域間の機能連携について
PCインス トール型のパッケージソフトと比べた場合にクラ ウド・サービスの方が効果高い
④「攻めの IT」の実施に向けた企業間連携を行っている企業は、連携を行っていない企業よりも従業員1名 当たり売上が高い。

⇒ クラウド型システムの導入により、コスト効果だけでなく 業務領域間の機能連携もでき、指標の把握や分析が比較的タイムリーにでき、攻めに向けた体制に近づけていける (労働生産性向上への期待)

第五章:設備投資による労働生産性の向上

<ポイント><第二部 第五章まとめ 参照>

中小企業の設備投資について

①設備の維持・更新投資が中心でどちらかと言えば消極的

②生産性向上への投資(省力化等)に力強さがない

   投資環境(経常利益、過去最高等)として良好にも関わらず

 ⇒ 主な要因とし て、

   1、我が国経済の期待成長率が低下している、

   2、後継者不在企業が増加する中、事業の先行きに不安感

   3、一部赤字の企業が資金制約により投資を抑制して いる可能性

③設備投資と生産性の関係を分析(対大企業)

   ・資本の効率的な活用が遅れていること

   ・省力化投資等が重要である

 ⇒深刻化する人手不足の状況に対応策として

    設備投資をより一層促進することが、生産性向上へ寄与

第六章:M&A を中心とする事業再編・統合を通じた労働生産性の向上
<ポイント><第二部 第六章まとめ 参照>

①経営者の高齢化と後継者不在を抱える企業が増加する中、M&Aが事業承継の手段として有効な選択肢となっている
②実際、中小企業のM&Aが近年着実に増加し ており、そうした企業は付加価値を向上させている
③ここにおいて M&Aの推 進のためにはマッチングの円滑化を図るかがポイント(関係支援者間連携など含めて)
④今後も関心の高まりを背景に買い手は、市場シェアや事業エリアの拡大 の手段として、売り手は、事業の承継の手段と
して検討されていく。
⇒ うまくニーズ同士をマッチングさせていくことにより、中小企業の生産性向上のみならず、我が国経済の生産性向上に、M&Aは、資すると期待される

第二部  総括

労働生産性とは、一人当たりの付加価値の向上を図っていくことである
より少ない人材で、効率よく売上、利益を増していくことであるが、
今後人材不足が益々進む中において避けられないものだと考えられる
そのための取り組みとして、業務プロセス面、人材の活用面、IT活用、設備投資、M&Aの観点から白書は分析し、その効果も実証されているとしている
⇒自社に応じた、適した取り組みを検討し、実際に行動することが求められるのではないか

 

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